芦原橋の現行スタンプ(支社印)には「人権・太鼓ロード」とあります。
駅近くに日本でも指折りの太鼓メーカー「太鼓正」の本社兼ショールームがあり、
至る所に太鼓屋さんが目立つなど、この芦原橋界隈は太鼓の町なのです。
芦原橋界隈に太鼓メーカーが集中している背景には、
その昔この一帯が「西浜」と呼ばれた西日本最大の被差別部落だったことを
まず説明しないといけません。
江戸時代には芦原橋に全国の皮が集まり皮革加工が行われていたため、
この地区に厳しい部落差別が生まれました。
(「西浜」は現在の北開・中開・南開の「３開」、出城、長橋あたりまでを指しています)
当時の浪速の皮革産業は太鼓だけではなく、靴、長靴、ベルト、鞄、雪駄、膠(にかわ)など
生活には欠かせない製品を生みだし、特に戦前は軍関係の大きな需要もありました。
現在も近くの地下鉄御堂筋線・大国町駅周辺に靴屋が多く集まっているのは、
このような歴史的な背景があるからなのです。
大阪の歴史を語る上で欠かせない皮革業関係の資料を散逸させないため、
府と市の話し合いにより歴史資料を保存するための施設として
日本で唯一の大阪人権歴史資料館が1985(昭和60)年に建てられ、
さらに1995(平成７)年にリニューアルされた以降は女性問題・民族問題などを取り扱う総合博物館としての
大阪人権博物館(リバティ大阪)となり現在に至っています。
