片町線沿線は様々な歴史や伝説に彩られていますね。
次の忍ヶ丘の支社印のテーマは「雁塚物語」。
『戦国時代初冬の文明年間の話。
一人の猟師が雄の雁を射止めました。
ところが不思議なことに首がどこにも見当たりません。
「おかしなことがあるもんやなぁ」と思いながら、日が経つうちにいつしかそれも忘れていきました。
そして春も近づいたある日、猟師は再び一羽の雁を射止めました。
拾い上げたその雌の雁は痩せ衰えた翼の下になんと雁の首を抱えていたのです。
猟師はあの首のない雁のことを思い出しました。
「この二羽は夫婦やったんか。私の矢に倒れた雄雁の首を翼の下に抱えた雌雁まで手にかけるなんて…」
猟師はその後仏門に入り、雁の夫婦のための小さな菩提石を立てた、とのこと』
のちにこの雁の夫婦愛を伝え残そうと寛延2(1749)年、牌石が建てられたのですが
現在、市消防署北側の空地に祀られている雁塚がそれです。
120センチほどの牌型石塔の正面に「鴈塔」、
左側面に由緒を記した165文字の漢字が刻まれています。